逆相LC/MS (API) システムで一般的に使用される溶媒は以下の通りです。
• 水
• メタノール
• アセトニトリル
• ギ酸( < 0.1% )
• 酢酸( < 0.1% )
• トリフルオロ酢酸( < 0.1% )
• 酢酸アンモニウム( < 10mM )
• ギ酸アンモニウム( < 10mM )
注意: 100%アセトニトリルはプロトンドナーにはならないため、使用できません。
注意: 酢酸アンモニウム、ギ酸アンモニウムはアセトニトリルには溶解しません。
また、以下の溶媒は使用できないか、注意が必要です。
• 濃硫酸、濃硝酸、ジクロル酢酸、アセトン(※)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロルメタン、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)
使用しないでください。
※グラジエントの性能確認などで、アセトン濃度0.5 %以下程度の低濃度の水溶液を一時的に使用する場合は問題ありません。
• ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を含む移動相
使用しないでください。
使用している配管の材質にかかわらず、接続部には樹脂が使用されています。樹脂の強度低下や破損による溶媒飛散の原因となることがあります。
• ハロゲン系移動相
クロロホルムなどハロゲン系元素を含む移動相を使用した場合、APCI、ESIでは高温になるため、腐食性のガスが発生します。移動相への混入濃度は、数%でも腐食は進行します。高速液体クロマトグラフと装置間SUS製配管を使用してください。配管にPEEK樹脂を使用した場合、配管の強度が低下し、破裂して溶媒が飛散するおそれがあります。
黒色の粉塵がAPCIユニットやESIユニットに付着する場合があります。
腐食性のガスにより、部品の交換周期が通常より短くなる場合があります。
• 揮発性の低い緩衝液(リン酸緩衝液など)
インターフェイス部に塩の析出をもたらし感度低下の原因となりますので使用は避けてください。
• トリフルオロ酢酸(TFA)やイオンペア試薬
装置に残存しやすく、他の分析に影響を与える可能性があります。
• 高pH (>10)、低pH (< 2) の移動相
アルミ表面腐食がはじまるため表面ふきとり作業、場合によってはペーパがけなどが必要となる場合があります。
注意: MSプローブ手前部分の配管は必ずPEEKチューブを使用してください。高電圧によるリークの防止になります。