定性分析や全質量プロファイル測定を行い、酸化物や二価イオン、塩化物等の干渉の要因となる共存元素の存在の有無をご確認ください。
- LabSolutions ICPMSのプロファイル画面で、干渉の要因となる元素を特定します。
(LabSolutions ICPMSの操作方法に関しては、『LabSolutions ICPMS取扱説明書 4.2.3 干渉プロファイルを確認する』をご確認ください。)
<干渉の要因となる共存元素の確認例>
・酸化物:測定質量数の -16の質量数の位置に共存元素由来のピークがないか確認
・二価イオン:測定質量数の2倍の質量数の位置に共存元素由来のピークがないか確認
・塩化物:測定質量数の -35や -37の質量数の位置に共存元素由来のピークがないか確認
・硫化物:測定質量数の -32や -33、-34の質量数の位置に共存元素由来のピークがないか確認
・水素化物:測定質量数の -1の質量数の位置に共存元素由来のピークがないか確認
- 干渉要因となる共存元素を特定した後、その共存元素から測定元素(質量数)への干渉の影響を評価します。
干渉要因となっている共存元素を含み、かつ測定対象元素を含まない標準液を用意します。この標準液を、測定対象元素として定量することで干渉の程度を評価することができます。
<CdへのMo酸化物の干渉の確認と干渉量の評価例>
①111Cdの測定で、111から16を引いた95の質量に95Moのピークが存在するか確認
②95Mo のピークが存在した場合、サンプルと同程度の濃度のMoを含み、かつCdを含まない溶液を用意
③Cdの検量線を作成し、②の溶液を測定してCdの濃度を定量分析
④定量結果からMo酸化物(95Mo16O)の干渉がCdの定量結果にどの程度の影響を与えているか評価
- 干渉の程度が測定濃度に対して影響がある場合は、コリジョン・リアクションセルを使用し、HeガスまたはH2ガスにより干渉を低減し測定を行ってください。干渉除去が不十分な場合は、元素間補正やハーフマス補正を使用することも有効です。
<干渉除去例>
Cdに対するMoへの干渉除去:ICPMS-2050を用いた排水中23元素の分析
二価イオンの干渉除去:ICP-MSによる土壌中有害元素の含有量分析
よくICP-MSで見られる干渉イオンを次の表に示します。
種類
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主たる干渉イオン(干渉される同位体)
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| 酸化物 |
16O21H+ (33S+), 32S16O+ (48Ti+), 35Cl16O+ (51V+), 32S16O2+ (64Zn+), 40Ar16O+ (56Fe+), 40Ar16O1H+ (57Fe+) |
| 二価イオン*1 |
138Ba2+ (69Ga+), 150Nd2+と150Sm2+ (75As+), 156Gd2+と156Dy2+ (78Se+) |
| 塩化物*2 |
35Cl16O+ (51V+), 40Ar35Cl+ (75As+) |
| 硫化物*3 |
32S16O+ (48Ti+), 32S16O2+ (64Zn+) |
| 水素化物*4 |
16O21H+ (33S+), 40Ar1H+ (41K+), 40Ar16O1H+ (57Fe+) |
それぞれの干渉について、特に以下の試料、分析で注意してください。
*1 アルカリ土類や希土類のような第二イオン化エネルギーが比較的に低い元素を多く含む試料
*2 塩酸、海水など塩素を多く含む試料
*3 硫酸、硫化物イオンを含む試料
*4 ICPMS-2050でH2リアクションを使って分析しているとき