有機溶媒を導入する場合、酸素は必要ですか?
測定要求および有機溶媒の種類に応じて、対応はケースバイケースとなります。

1. 横方向観測:酸素導入不要
当社のICPE-9820では、有機溶媒を導入する場合、基本的に冷却ジャケットを取り外し、横方向観測専用として使用することが可能です。この場合、酸素ガスを導入せずに有機溶媒を測定できます。
2. 軸方向観測
2.1 酸素濃度の高い有機溶媒:酸素導入不要
エタノール(C2H6O)、メタノール (CH4O)、IPA (C3H8O)、DMA (C4H9NO)など酸素を多く含む有機溶媒や、水中に混合されている有機物等の場合、酸素ガスの導入は不要です。
これらの溶媒はプラズマ中で燃焼し、炭素や窒素がCOXやNOXの形でガス化されて排出されるため、トーチやオリフィスへのカーボンの析出はほぼ発生しません。
2.2 酸素を含有しない有機溶媒:酸素導入必要
ケロシン (C14H30)、キシレン (C8H10)、石油系炭化水素など酸素を含まない有機溶媒を軸観測で測定する場合、酸素の導入(アルゴン・酸素混合ガス導入装置(特注)※)が必要です。
アルゴン・酸素混合ガス導入装置を用いた軸方向観測では、特にNaやKは、一桁以上の感度向上が見込まれ(検出下限として約0.01ppm)、微量分析に適しています。一方、その他の元素については、感度差はほとんどありません。また、真空紫外スペクトル(例:Pなど)の短波長では、CNのバンドスペクトルの干渉のため、バックグラウンドが複雑になり、かえって感度が低下する場合があります。
・Na、Kがppm以下の微量分析 の場合:アルゴン・酸素混合ガス導入装置(特注)が必要です。
・Na、Kがppm以上の分析の場合:酸素ガスを導入しなくても、横方向観測での分析ができます。