• No : 9562
  • 公開日時 : 2023/11/27 12:33
  • 更新日時 : 2024/08/23 16:05
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(TOC) NPOC測定値が通常より高い

検量線測定は問題ないが、水道原水や水道水のNPOC測定値が通常より高い、あるいは試料のNPOC測定値が通常より高い
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回答

NPOC前処理時の塩酸添加の失敗、スパージガス配管閉塞などによる通気不良が考えられます。
 
<確認方法>予め試料を酸性化して測定してみる
  1. ASIバイアルや試料測定用容器に分取した試料に塩酸を添加して軽く混ぜ、万能pH試験紙などでpHが3以下であることを確認します。
  2. 1.の試料を通常使用している設定条件でNPOC測定します。これにより測定結果が通常程度になるようであれば、塩酸添加不良により無機炭素が除去しきれていない可能性があります。
一方で改善しない場合は、スパージガス配管の閉塞などによる通気不足が原因の可能性があります。
 
<塩酸添加不良が疑われる場合>
  1. TOC-Lの正面ドアパネルを開け、下図の赤枠で囲った部品(8ポートバルブ)の3番のチューブ接続用ブッシュに緩みがないか確認します。
     
  2. TOC-L左側面にある1mol/L塩酸を新しく調製したものと入れ替え、チューブを液中に差し込んだ後に流路気泡除去を行います。(PC制御装置と本体制御装置で操作方法が違いますので以下を参照ください。)
     
  • PC制御装置の場合
TOC-Lを起動し、TOCサンプルテーブルエディタと接続します。
メニューバーの[機器]から[保守]、[流路気泡除去]を選択し、[スタート]ボタンを押します。動作終了後、[閉じる]ボタンを押して流路気泡除去の画面を閉じます。
 
 
 
  • 本体制御装置の場合
初期画面から[F5 メンテナンス]を押します。▲▼ボタンを使用してカーソルを移動させて[流路気泡除去]に合わせたのち、[NEXT]ボタンを押します。動作終了後、[F1 戻る]ボタンを押して初期画面に戻ります。
 
  1. 以上で改善しない場合は8ポートバルブ内のローターが摩耗していることが考えられますので、ローターを交換し、再度流路気泡除去を実施してください。ローターの交換方法は以下のページ内の動画よりご確認いただけます。
    ☞ 全有機体炭素計 TOC-Lシリーズ(燃焼触媒酸化方式)
 
  1. スパージガス配管をシリンジのスパージガス供給口から外します。スパージガス配管接続部は下の写真の赤枠で囲った部分です。
     
     
  2. スパージガス配管の先端から2cm程度までの配管内部にゴミや結晶物などがないかを確認します。異物が見られた場合は、配管内径の0.5mmより細い針金などで削り取るように清掃し、元に戻します。
    (清掃の際、配管を針金で突き破らないようにご注意ください。)
     
上記の手順で改善されない場合は、当社営業所/代理店または当社指定のサービス担当店に連絡してください。