高感度触媒の交換後などに、TC・NPOC測定時のピーク形状が変わったり、分離したピークとなったりすることがありますが、問題ありません。
- TOCの高感度触媒はウール状であり、充填時はこれを燃焼管に押し込んで規定高さに調整します。そのため、燃焼管充填後には触媒にランダムな隙間ができます。
この隙間や充填状態などによりキャリアガスの流れが変わり、ピークの形状が変わります。触媒を完全に同じように充填することは不可能であるため、ピーク形状を常に同じ形にすることはできません。
- またTOCは、LCなどのように成分分離を目的としたカラムを持っていません。そのため注入された試料に含まれる有機物の内、気化しやすい有機物と結晶性有機物の間では燃焼にかかる時間が異なり、ピークの中に複数のピークトップが含まれるような分離した形状となることがあります。
- TOCでは二酸化炭素により生じるピークの全面積を測定することによりTOC値を求めますので、ピーク形状は基本的に測定結果には影響を与えません。触媒交換前後で標準液のエリア値が大きく変わっておらず、かつ触媒交換後の標準液測定値に再現性があれば問題ありません。
触媒交換後に、標準液のエリア値が大きく変わった場合は、以下のFAQを参照してガス漏れがないか、ご確認ください。