X線が出力しにくいときは、真空チャンバー内が汚れて放電が起きていることがあります。真空チャンバー内を清掃してください。
清掃には以下の工具など(標準付属品)を使用します。
• ビニール手袋 (部品番号: 086-72599-01)
• ベンコット
• 2-プロパノール
• 残留電荷除去ジグ
• SIグリース(部品番号: 017-30813-01)
1. X線発生装置の大気開放をします
警告: 大気開放は必ず実施する。
大気開放の操作には、X線発生装置操作スイッチ、キースイッチ、メインブレーカーをOFFにする手順が含まれます。
これらをOFFにせずに作業をすると、感電するおそれがあります。
2. X線発生装置のレンズ部を開きます。
注意:
• レンズ部やフォーカスカップが冷めてから清掃する。
長時間運転の直後は、レンズ部やフォーカスカップ周辺が高温になっているため、すぐに清掃するとやけどのおそれがあります。
• レンズ部は両手で開閉する。
レンズ部は約15kgの重量があります。片手で開閉すると、支え切れずにX線発生装置やステージを破損するおそれがあります。
1) レンズ部を固定しているローレットネジを手で取り外します。
2) レンズ部を右方向に倒します。
3 残留電荷除去ジグでフォーカスカップの残留電荷を放電します。
警告:
• フォーカスカップに直接触れる前に、必ず残留電荷を放電する。
フォーカスカップは残留電荷で充電されるため、放電させずに直接触れると、感電によるけがや死亡のおそれがあります。
• 必ず先にX線発生装置(外側)に触れ、次にフォーカスカップ(中央部)に触れる。
また、フォーカスカップに触れるときは、残留電荷除去ジグをX線発生装置から離さない。
感電するおそれがあります。
1) X線発生装置の外周の金属部分に、残留電荷除去ジグの金属部分で触れます。
注記: X線発生装置の非金属部分には触れないでください。
2) 残留電荷除去ジグの金属部分をX線発生装置から離さないように動かして、フォーカスカップに触れます。
4. ビニール手袋を着用します。
注意:清掃時は必ずビニール手袋を着用する。
X線発生装置内部に指紋や手あか、ほこりなどが付着すると、放電の原因になります。
5. 2-プロパノールをベンコットにしみ込ませて、フォーカスカップ表面やX線発生装置内部を清掃します。
注意: 清掃には必ず2-プロパノールとベンコットを使用する。
ほかの洗剤や清掃用具を使用すると、ほこりなどが除去できず、放電の原因になります。
6. チャンバー部のOリングが溝にはまっていることを確認して、OリングにSIグリースを塗布します。
注記: チャンバー部のOリングに損傷があるときは、交換してください。交換用Oリングは、「Oリング、4D G140」(部品番号: 036-12526)です。
7. X線発生装置のレンズ部を閉めます。
注意: レンズ部は両手で開閉する。
レンズ部は約15 kgの重量があります。片手で開閉すると、支え切れずにX線発生装置やステージを破損するおそれがあります。
1) レンズ部を左方向に起こします。
2) ローレットネジを締めます。
8. ターボ分子ポンプのベントスクリューを締めます。
9. カーボン板をステージに取り付けて、正面扉を閉めます。