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  • No : 2912
  • 公開日時 : 2020/10/22 14:59
  • 更新日時 : 2024/02/22 10:39
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【イオンクロマトグラフ】分離カラムの一般的な注意事項

【イオンクロマトグラフ】イオンクロマト用分離カラムを取り扱う上での一般的な注意事項を教えてください。
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回答

充てん剤は大抵樹脂でできていますから,通液可能な溶液の範囲 (溶媒の種類,濃度,pH など) を守ること,必要以上の負荷圧をかけないこと,乾燥させないことなどが肝要です。
 
解説:
HPLC でもっともよく用いられる分離カラムは,いわゆる「ODS カラム」と呼ばれるもので,シリカゲルをベースとしています。安価で機械的強度が高く,多種類の有機溶媒の通液に耐えます。
一方,イオンクロマトでは無機イオンを主な分析対象としますから,イオン交換樹脂を充てんしたカラムがよく用いられます。これは,シリカゲルに比べて一般に以下のような欠点を持ちます。
  • 極性の異なる溶媒を通液すると膨潤・収縮し,性能が低下する。
 → 通液可能な溶液の範囲 (溶媒の種類,濃度,pH など) を守るべき。
 → 頻繁に異なる組成の溶液に置換するのは避けるべき。
  • 機械的強度が低いため,耐圧が低い。
 → 必要以上に高い負荷圧をかけた状態では使用しない。
  • いったん乾燥すると,不可逆的に変化する。
 → 絶対に乾燥させない。

もうひとつ,ODS カラムに比べてイオンクロマト用カラムは一般に高価です。早期に劣化すればランニングコストの上昇に直結しますので,大事に扱うようにしましょう。また,常にガードカラムを装着した状態で使用することを強く推奨します。

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