イオンクロマト用の分離カラムは一般に高価なので,少しでもその寿命を延ばすためにガードカラムの装着をお勧めします。
ガードカラムは,メインとなる分離カラムと同じ性質の充てん剤を充てんしたミニカラムで,メインカラムの直前に装着します。その役割は,試料中に含まれる成分のうち,充てん剤に強く吸着する成分をトラップしてメインカラムに入り込むのを防ぐ点にあります。
イオンクロマト用の分離カラムは一般に高価です。価格の安いガードカラムを装着することにより,トータルとしてのランニングコストを低減することができます。
また,イオンクロマト用の分離カラムは一般に通液可能な溶液の組成 (有機溶媒の種類や濃度,pH 範囲など) に制限があります。カラムを洗浄したくても,汚れを溶かし出すことができるような洗浄液を通液できるとは限らないのです。この点からも,ガードカラムで汚れを止めることの必然性が高いと思われます。
なお,ガードカラムを装着したからといって,メインカラムがまったく劣化しないというわけではありません。溶離液を通液するだけでも長期的にはカラムの性能が低下していきます。したがって,メインカラムが安価に入手できる場合には,それを消耗品と割り切ってガードカラムを装着しないのもひとつの選択肢といえます。