ベースラインが不安定な場合は,フルリジェネレート ( 強制再生) を行ってください。一部の成分が吸着していると考えられる場合は,取扱説明書の手順に従って洗浄液を通液してください。
サプレッサカートリッジは電気化学的な処理により自動的に再生されているため,定期的な洗浄などのメンテナンスは通常不要です。しかし,このカートリッジに充てんされているのは分離カラムと同じようなイオン交換樹脂ですから,分離カラムで発生するのと同じような問題が発生することがあります。症状に応じて必要な対応を行ってください。
サプレッサコントロールをOFF にした状態で溶離液を長時間通液してしまった場合は,カートリッジ内のイオン交換基が対イオンで飽和していることがあります。このようなときは,通常の流量で溶離液を送液しながらフルリジェネレート ( 強制再生) を行ってください。ベースラインが不安定な場合も同様です。
なお,フルリジェネレートの設定の仕方については,機種によって若干異なります。
特定の成分のみテーリングする,ピーク面積値が小さい,ばらつきが大きいといった場合は,仮に分離カラムに吸着しているのでないとすれば,サプレッサカートリッジ内で吸着していることが考えられます。この場合はフルリジェネレート (強制再生) を行っても回復しませんので,化学的な洗浄が必要です。以下にその手順を示します。なお,必ずメインカラムとガードカラムを取り外した状態で行ってください。
【注意】
以下の内容を実施する前に,必ずサプレッサカートリッジに同梱されている取扱説明書をお読みください。記述内容に矛盾がある場合は,取扱説明書の内容が優先されるものとお考えください。また,取扱説明書の記載内容が予告なく変更されることがありますので,必要に応じてメーカーにお問い合わせください。
陰イオン分析用サプレッサカートリッジの洗浄 :
次の洗浄液を,順次,各々1 mL/min で20 分間送液してください。また,このときサプレッサコントロールはOFF にし,再生電圧がかからないようにしてください。
1) 精製水
2) 50 mmol/L 硫酸水溶液とアセトニトリルの混合液 (20/1, vol/vol)
3) 精製水
【注意】
陰イオン分析用サプレッサカートリッジには,EDTA の水溶液を通液しないでください。このカートリッジにEDTA が流れ込むと,内部で析出して急激な圧力上昇が発生し,再生不能となることがあります。
陽イオン分析用サプレッサカートリッジの洗浄 :
次の洗浄液を,順次,各々1 mL/min で20 分間送液してください。また,このときサプレッサコントロールはOFF にし,再生電圧がかからないようにしてください。
1) 300 mmol/L 硝酸水溶液
2) 精製水
3) 500 mmol/L 水酸化ナトリウム水溶液
4) 精製水
上記の手順は,高濃度の硝酸イオンを通液することでサプレッサ内のイオン交換基を硝酸イオンに置換させ,その後水酸化ナトリウムの水酸化物イオンで再度完全に置換することを意図したものです。そのため,必ず上記の順に洗浄液を通液してください。