一概にはいえませんが,基本的には1~2 日中に使い切りましょう。
溶離液の使用期限は一概に何日とはいえません。しかし,一般に希薄な水溶液であるイオンクロマト用溶離液は,時間経過とともに以下のような現象が発生します。
• 溶質の化学変化。
(例 : しゅう酸は空気と接触した水溶液中において数日程度で分解する)
• 空気中成分の溶け込み。
(例 : アルカリ性の水溶液は空気中の炭酸ガスを溶解し,pH や組成が変化する)
(例 : 空気中に漂う無機イオンを溶解し,本来そのピークが出る位置に負ピークが出現する)
• 容器からの溶出。
(例 : ガラス製容器からナトリウムイオンやけい酸イオンが溶出する)
(例 : 樹脂容器から添加剤が溶出する)
• 溶液の腐敗。
溶離液の経時変化は,保持時間や分離の変化だけでなく,カラムの詰まりの原因になることもあります。通常は調製後1~2 日程度で使い切ってしまうことを推奨します。