薬包紙の上に秤りとった後,それで包んで指で潰してから水に入れると多少早く溶けます。
p-ヒドロキシ安息香酸,フタル酸といった芳香族有機酸は,水に溶解するのに少々時間がかかります。試薬粉末を薬包紙の上に秤量した際に,薬包紙の上から指でかたまりを潰すことにより,溶解に要する時間が多少なりとも短縮されます。
また,超音波洗浄器を用いるのも効果的です。ただし,長時間超音波洗浄器にかけると容器からのイオンの溶出や空気からの溶け込みなどが懸念されるため,数分程度で済ませるのが無難です。
さらに,40~50 °C くらいに設定したウォーターバスにビーカーをつけた状態でかくはんしながら溶かす方法もよく行われます。ただし,加熱した溶離液は室温付近まで冷やしてからイオンクロマトにセットしてください。
なお,いずれの場合においても水面に試薬粉末が浮いていない状態になるまでよくかくはんすることが必須です。回転速度が速く磁力の強いマグネティックスターラの使用をお勧めします。