複数のピークで同じような現象になる場合は,カラム入口に隙間ができたことが原因の場合が多いです。
下右図のような形のピークが得られたときは,何らかの異常が起こっていると思われるため,対策が必要です。
ピーク割れやショルダーピークが出た場合,まず確認すべきことは,複数の成分を分析したときに同じような現象になるかどうかです。特定の成分についてのみ発生するようなら,カラムの中で何らかの化学的な相互作用が発生し,その成分だけが異常な挙動を示したと考えるしかありません。とりあえずカラムを洗浄してみましょう。
一方,複数の成分で同じようにピーク割れなどが起きる場合は,むしろ物理的な要因と考えるのが妥当です。すなわち,インジェクタ,インジェクタとカラムの間の配管,そしてカラムの入口付近のどこかに死容積 (デッドボリューム) が生じ,そこで試料バンドが不均一に広がっているのです。このような場合は,いくらカラムを洗浄しようと効果は期待できないでしょう。
複数のピークについて形状が不良の場合は,前項と同じくガードカラムを外して回復するかどうかを確認しましょう。外して回復するならガードカラムを交換,回復しないようならメインカラムが原因の可能性大です。
一方,原因がカラムではなく,インジェクタやインジェクタとカラムをつなぐ配管であるケースも考えられます。
配管がきちんと奥まで差し込まれていない状態で接続されていると,死容積が発生して試料バンドが不均一に広がります。インジェクタからカラム入口にかけてのどこかにこのような場所があると,クロマトグラム上にその影響が顕著に現れます。念のため,配管を点検しましょう。